被害者側交通事故専門弁護士によるブログ
JA共済連愛知の示談合意の撤回について
JA共済連愛知尾張サービスセンター(以下「SC」と略します。)で、いったん示談合意したものの、十分な説明もなく合意を撤回するとの不誠実な対応がございましたので、以下報告します。
事案は、親子で交通事故に遭い、子は自賠責で後遺障害が認められたものの、親は症状は残存したものの後遺障害が認められなかったケースで、私は、JA共済連愛知尾張SC担当者と示談交渉を行っていました。
JA共済連は、当方の示談提示(再提示)に対し、上記の書面のとおり、子については「示談合意」するとし、親については再提案額を提示しました。
これに対し、私は、JA共済連担当者に対し、親については再提案には応じられないので交渉を打ち切り、紛争処理機構で後遺障害認定手続きに進むこと、子についてはJA共済連の書面のとおり示談が成立したので、免責証書を送って欲しいと伝えたところ、担当者は、「わかりました。」と回答しました。
しかし、その後、担当者から連絡があり、「親が示談に至らず、片方だけなら子の示談合意について撤回したい。」旨の申し出がありました。
そこで、私は担当者に、「子についてはいったん書面で合意したはずであり、書面にも親と子を同時解決したい旨の記載はなかったのであるし、なぜ一方のみだと合意ができないのか。」とその理由を再三確認しましたが、
担当者は、
「同時解決だからです。」
「理由はそういうことですよ。」
「いったん書面でだしたら、それでやらなきゃいけないルールはないですよね。」
「書面に記載していないからと言って、それにしばられるってわけではないじゃないですか。」
「主張というか、考え方というのは変わるわけじゃないですか。」
などと回答をするばかりで、親と子を同時解決しなければならない理由については全く明確にはしませんでした。
もちろん、事情の変更に応じて、相手方が応じさえすれば、いったん合意に至った内容を撤回することは認められて然るべきです。
しかし、私たち弁護士のみならず、JA共済連担当者も、法律により示談代行権限を付与された示談交渉のプロとして、また、一度きりの関係ではなく、今後も他の事案で継続して交渉を行っていかざるを得ない関係にある以上、相互の信頼関係は非常に重要です。
にもかかわらず、このJA共済連愛知JASC担当者は、相互に納得して合意に至ったにも関わらず、理由を明確にせず、いとも簡単に合意を撤回するばかりか、「いったん書面で出したら、それでやらなきゃいけないルールはないですよね。」、「考え方というのは変わるわけじゃないですか。」などと開き直る態度を示しました。
多少なりとも法律に携わる者としてこの担当者は、自ら話した内容のもつ意味の重大性を理解しているのでしょうか。
これだから、私はJA共済連を信用することができないのです。
被害者側交通事故専門弁護士によるブログ
- 高次脳機能障害に対するリハビリの重要性について
- 頚・腰部痛被害者請求非該当、異議申立により各第14級9号併合14級の認定を受けた事案のご紹介です。
- 事前認定右手疼痛第14級9号、異議申立てにより右手関節機能障害第10級10号、右大腿部の感覚麻痺等第14級9号併合10級の認定を受けた事案のご紹介です。
- セゾン自動車火災保険株式会社の杜撰な経理処理について
- 令和6年度も愛知県の自転車乗車用ヘルメット購入補助制度が実施されます。
- 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)名古屋主管支所様と意見交換会を実施いたしました。
- 東京海上日動火災保険㈱の2件のイレギュラーな遅延行為について(顛末記あります)
- 防犯カメラ映像の早期の証拠保全の重要性について
- 否認事件での被害者参加のメリットについて
- 基礎収入で平均賃金を使用する場合は、事故「当年」の平均賃金です
- ソニー損保中部第3サービスセンターへの書類送付上の注意点です(顛末記あります)
- 人身傷害保険と対人賠償の関係のおさらいです
- 高次脳機能障害に関する誤解について
- 事前認定非該当、異議申立てにより顔面醜状12級14号、左恥座骨部痛及び腰痛で各14級9号併合12級の認定を受けた事案のご紹介です
- (公財)東海交通遺児を励ます会『第56回交通遺児を励ます大会』に出席いたしました。
- 糖尿病患者の方々が重大交通事故被害に遭った場合の問題点について
被害者側
交通事故専門弁護士による
ブログ
保険会社や病院の不適切な対応から専門家向けの高度な知識など、交通事故被害者にとって重要な情報を惜しみなく提供し、被害者側交通事故賠償実務の発展・向上に努めています。
-
高次脳機能障害に対するリハビリの重要性について
NEW -
頚・腰部痛被害者請求非該当、異議申立により各第14級9号併合14級の認定を受けた事案のご紹介です。
-
事前認定右手疼痛第14級9号、異議申立てにより右手関節機能障害第10級10号、右大腿部の感覚麻痺等第14級9号併合10級の認定を受けた事案のご紹介です。
-
セゾン自動車火災保険株式会社の杜撰な経理処理について
-
令和6年度も愛知県の自転車乗車用ヘルメット購入補助制度が実施されます。
-
独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)名古屋主管支所様と意見交換会を実施いたしました。
-
東京海上日動火災保険㈱の2件のイレギュラーな遅延行為について(顛末記あります)
-
防犯カメラ映像の早期の証拠保全の重要性について
-
否認事件での被害者参加のメリットについて
-
基礎収入で平均賃金を使用する場合は、事故「当年」の平均賃金です