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JA共済連の給与所得者の事故前3か月の給与総額の算定方法の不当性について


本ブログでもJA共済連のおかしな対応については度々指摘してきましたが、今回、あまりに呆れる対応をしてきましたので、以下紹介します。

休業が連続していない給与所得者の休業損害の算定方法については、事故前3か月の給与総額を、90日の歴日数ではなく、稼働日数割して日額給与額を算定することが妥当であることは、本ブログ中でも紹介し、平成30年赤い本下巻講演録の武富裁判官の講演により、いわば常識となりましたこちらをご覧ください

そして、その前提となる「事故前3か月間の給与総額の合計」とは基本給と付加給合計額のいわゆる「額面額」で算定し、社会保険料や所得税を控除した「手取り額」ではないことは、交通事故賠償実務に携わるすべての人の常識であると思っていました。

このことは、はるか昔に、賠償額からは租税を控除しないとした昭和45年の最高裁判決が出されていますし、また、青本でも「収入額とするのは、いわゆる手取額(税金、公的保険の保険料等を控除した残額)ではなく、税込額である。」とはっきり明示しています(26訂版70頁)。
また、私はこれまで取り扱った事案で、手取額で休業損害を算定された経験はありませんでした。

ところが、今回JA共済連に給与所得者の休業損害の内払いを請求した際、JA共済連は手取額で休業損害を算定していました。
そこで、私はJA共済連担当者に対し、上記諸点を指摘したうえで、額面額で算定することは賠償実務上の常識ではないかと問い質したところ、担当者は「当社の休業損害支払いマニュアルでは、額面額で支払うとされています。先日弁護士さんに休業損害を支払ったときにも何も文句はありませんでしたよ。」と回答しました。

JA共済連の「マニュアル」は明らかに誤りで、交通事故被害者への賠償金(共済金)の支払額を不当に減少させるものです。
実際にJA共済連にそのような「マニュアル」があるなら一刻も早く是正すべきですし、今まで何十年と最高裁判例に反する支払いを継続してきて、何の疑問も持たなかったのであれば、そのようなJA共済連の体質にはほとほと呆れます。


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