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高額すぎる画像発行費用

診療機関で撮影されたXp(CR),CT,MRI等の画像については、自賠責保険での後遺障害認定に必須なものであり、また、被害者の方の病状を証明するために極めて重要な資料となります。
そのため、自賠責保険での後遺障害認定や訴訟の場面では、これら画像のデジタルデータを診療機関にCD-RやDVD-Rの媒体で発行してもらうことが通常です。

その費用は、診療機関ごとでまちまちで、画像量を問わず事務手数料を含めCD-RやDVD-R1枚で概ね500円から高くても3千円程度が一般的で、とあるクリニックでは1枚1万円を請求され、大変高額だと驚いたことがありました。
他方、CD-Rの実費として50円や100円だけ請求いただくということもあり、システム導入費用やお手間を考慮すると大変申し訳ない思いをすることも多々あります。
以上のとおり、以前ご紹介した後遺障害診断書作成料(こちらをご覧ください。)以上に診療機関により画像発行費用はまちまちですが、今回、愛知県刈谷市の病院で、一般的な相場をはるかに超えるDVD-R1枚につき3万4100円を請求された事案がございましたので、注意喚起のためにご報告します。

その請求書は冒頭の画像のとおりであり、請求名目として「画像デュープ代」と記載されています。
皆さんも、医師の先生がフィルム画像をシャウカステンで検討している様子をご覧になったことはあると思いますが、以前はレントゲンなどの画像は、デジタルデータ化された画像ではなく、フィルムに撮影されたアナログのものがほとんどでした。
そのため、これらフィルム画像の複製が必要な場合は、特殊な技法を用いてフィルム自体を複製をし(その画像をデュープ画像と呼んでいます。)、デュープ画像1枚当たり1000円程度の実費がかかっていました。
ただ、現在ではほとんどの診療機関でデジタル画像が撮影することができるようになったため、画像が必要な場合、フィルムをデュープする必要がなくなり、CD-R等のデジタルデータ(DICOMデータ)で発行してもらえるようになりました。

そこで、今回の画像もフィルム画像をデジタル化するいわゆる「デュープ」作業が必要であれば、「レントゲン(単純撮影)1枚500円」というのも理解できるのですが、今回のケースでは、もともとのレントゲン画像は、デジタル撮影であるCR画像でしたので、「デュープ」と記載されているものの、通常と同様に、デジタルデータで撮影された画像データをDVD-Rに焼いただけのものでした。

特に自賠責保険での後遺障害認定認定手続では、自賠責後遺障害診断書と同じく画像は大変重要で、交通事故被害者の方は適正な賠償を受けるために必ず発行いただかなければならない必須のものです。
また、医療画像やそのデータ自体の所有権がいずれに帰属するかの問題はありますが、医療画像やそのデータは診療情報という個人性の極めて高い情報で、原則としてその取得・利用について本人の自由なコントロールを強く及ぼすべきものです。

にもかかわらず、このように通常必要な実費や手数料の合理的範囲をはるかに超えて、患者さん本人の画像取得を困難にしかねない不当に高額な画像発行費用を請求することは、「手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その手数料の額を定めなければならない」と規定する個人情報保護法33条2項に反する恐れさえあります。
自己の医療画像の発行を求める行為は、個人情報取扱事業者である診療機関に対して保有個人データの開示を請求すること(同法28条1項)に他ならないのですから、医療従事者の皆様におかれましては、上記合理的な範囲での費用請求を行っていただくことを改めてお願い申し上げます。


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