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交通事故により骨折し、骨が粉砕するなどして喪失したり、骨折部の癒合が十分せず難治骨折化したような場合、自家骨を移植して骨癒合を促す手術がなされることがありますが、その際、骨盤骨の一部である腸骨が採取されることがあります。

自賠責保険の後遺障害認定実務では、腸骨採取による骨盤骨の変形については、その程度により体幹骨の変形障害として第12級5号の認定を受けることができます。

また、骨盤骨を骨折した際、もしくは上記の腸骨採取後に大腿外側に痺れや感覚麻痺などの神経障害が生じることがしばしばみられます。
大腿外側の支配神経は外側大腿皮神経で、下記の画像のとおり外側大腿皮神経は、概ね腸骨稜から骨盤内部を上前腸骨棘付近にかけて走行していることから、外側大腿皮神経損傷は腸・寛骨骨折等の骨盤骨折のみならず、腸骨採取時の腱膜切離の際や腸骨筋に対する無理な牽引展開操作による合併症として生じることが知られています。

したがって、骨盤骨折後もしくは腸骨採取後に大腿外側部の神経症状を生じた場合、外側大腿皮神経損傷の可能性が高いと考えられます。


外側大腿皮神経損傷の他覚的な証明方法


神経の異常について他覚的に検査する方法として神経伝導検査があります。
上記検査結果は、自転車で四輪車と衝突し左寛骨臼骨折を生じ、左大腿部外側のしびれ感や知覚鈍麻を生じた被害者の方の外側大腿皮神経の神経伝導検査です。
左感覚神経の振幅値が右に比して大きく減退していることが明らかとなり、左外側大腿皮神経の障害を裏付けられました。

なお、外側大腿皮神経は細い神経であり、外側大腿皮神経を狙った神経伝導検査を実施していただける病院はさほど多くありません。


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