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㈱自動車保険ジャーナルNo2050号(名古屋地裁令和元年5月29日判決)
自動車保険ジャーナルNo2050号(令和元年11月28日発行)に、弁護士丹羽が代理した名古屋地裁令和元年5月29日判決が掲載されました。
本事案は、第4車線を走行していた被害者のバイクに、第5車線から車線変更合図を出さず突如第4車線に進路変更した普通車が衝突し、被害者が第3車線を並走して走行していたトラックの右前輪部に頭部を挟み込まれ死亡したとのものです。
車線変更をした普通車に過失が認められるのは当然のことですが、普通車のみならずトラックの運転手にも過失が認められた点で極めて画期的な判決といえます。
トラックの運転手は、バイクが衝突しこれに乗り上げた時点で衝撃を感じいったん停止状態まで減速しましたが、その際、右前輪部に挟み込まれている被害者に気付かないまま、再び被害者を挟み込んだ状態でトラックを第1車線に停止させるために23.1m走行させ、被害者を死亡させた点に過失が認められました。
なお、本件では普通車の運転手が任意無保険であったため、トラックの過失が認められなければ被害者の遺族らは損害の全額の賠償が受けられないという事情がありました。
道路交通法72条1項は「交通事故があったときは・・・直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し・・・」と定められており、その趣旨は「このように、まず停車する義務を課したのは、車両の交通による人の死傷があった場合において、単に運転中の車両から望見したのみでは、被害者の救護の要否を確認することが困難であり、一旦停車して、しさいにこれを調査しなければ、その要否の判明しない場合がきわめて多いことから・・・運転手に対して必ずいったん停止して負傷者の救護の要否を確認させるためである」(東京法令出版・道路交通執務研究会編著『執務資料道路交通法解説16-2版)とされていますが、本判決は道路交通法72条1項前段の救護義務に沿うものといえます。
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