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自動車保険ジャーナル2215号(令和8年10月8日発行)に、弁護士丹羽が代理した名古屋地方裁判所令和8年1月23日判決が掲載されました。

事案は、車両通行禁止時間帯の商店街中を被告B所有名義の四輪車で走行していた被告Aが、1歳の子を轢過し死亡させた事案で、被告Aは自家用車の所有が禁止されていた生活保護受給者のため、被告Bから名義貸しを受けていたというものです。

本件では、運転していた被告Aのみならず、名義貸しをしていた被告Bにたいしても「自己のために自動車を運行の用に供する者」として自賠法3条の運行供用者責任を追及しました。
被告Bは、畏怖を感じながらしつこく頼まれたので断り切れなかった、名義貸しの対価は受け取っていない、名義変更や納税手続はすべて被告Aが行い車両の保管場所も知らなかったなどとして運行供用者責任を否定しました。
しかし、この判決では、被告Bが名義変更書類や納税書類を被告Aに渡すなどしていたことから「名義変更手続や納税手続に協力するなど、被告Aによる被告車の使用を助長、容認していたことからすれば、本件事故当時、被告Aによる被告車の運行を事実上支配、管理することができ、社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさらないよう監視、監督すべき立場にあったものと認められる」として、被告Bの運行供用者責任を認めました。

名義貸人などの自動車の所有者に運行供用者責任が認められる場合、基本的に運転者と同じ賠償責任を負うことになりますが、自動車の所有が禁止されている生活保護者に対して、名義貸しをした者への運行供用者責任は、従前より最高裁でも認められてきましたが(最高裁平成30年12月17日第二小法廷判決、判例時報2402.3、判タ1458.88)、本判決もこれにしたがった判決になります。

社会に危害を加える可能性がある自動車の所有者は、交通事故被害者保護の観点から、自賠法上、このような運行供用者として責任を負わされるばかりか、事実上の無過失責任を負わされるなど、重い責任を負わされています。

名義貸し事案は生活保護者やローンが通らない者のケースでよく見られますし、親の車を子が乗り回し事故を起こすときにも問題になります。
名義貸人や所有者は、まさか事故で運転者と自分が同じ責任を負うなど思いもよらず安易に名義貸しをしているようですが、名義や車を貸すなら自分も借りた人の事故の全責任を負う可能性がありますので、貸す方も十分注意した方がいいと思います。


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